卓球のTTRとは、試合中の判定を映像で確認するためのレビューシステムです。。国際大会で目にする機会が増えていますが、どのような仕組みなのか分からない方もいるでしょう。本記事では、卓球のTTRとは何か、導入された時期や利用方法、対象となるプレーやルールについて分かりやすく解説します。
卓球のTTRとは何?
卓球のTTRとは「Table Tennis Review」の略で、試合中の判定を映像で確認するためのレビューシステムです。選手からリクエストがあった場合などに、会場に設置された複数のカメラ映像を使って対象となるプレーを確認します。
卓球はボールの速度が速く、エッジへの接触やサービスの細かな動きを肉眼だけで見極めるのが難しい競技です。TTRは審判に代わって自動で判定するものではなく、映像技術で審判の判断を補助し、より正確で公平な判定につなげることを目的としています。
卓球のTTRはいつから導入されてる?
TTRは最近登場したシステムと思われがちですが、最初の試験導入は2019年までさかのぼります。ここでは、国際大会で初めて使用されてから、世界選手権にも採用されるようになるまでの流れを時系列で紹介します。
2019年に初めて試験導入された
TTRが初めて試験的に導入されたのは、2019年のITTFワールドツアー・グランドファイナルです。卓球でも映像を使って判定を見直す仕組みを取り入れるため、国際大会で実際の運用が試されました。
その後はワールドツアーなどで本格的に利用される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって大会の開催状況が大きく変化します。そのため、2019年の試験導入後すぐに幅広い大会へ定着するまでには至りませんでした。
2024年から再び活用されるようになった
2019年の試験導入から期間が空いたものの、2024年にはTTRが国際大会で再び使用されました。ITTF混合団体ワールドカップ成都大会の最終日に導入され、エッジボールなど複数のプレーについて映像による確認が行われました。
以前の試験運用から年月が経つなかで、カメラや映像解析の技術も進歩しました。複数の角度から映像を確認できるようになったことで、審判席からは見えにくいプレーも詳しく検証しやすくなり、判定を補助する仕組みとして改めて活用されるようになりました。
2025年には世界選手権にも導入された
2025年にはTTRを採用する国際大会がさらに増え、4月に開催されたITTFワールドカップでも使用されました。続く5月の世界卓球選手権ドーハ大会では、世界選手権として初めてTTRが導入されました。
メイン会場のコートには十数台のカメラが設置され、エッジボールやサービスのトスなど、細かな判定の確認に活用されました。世界選手権でも採用されたことで、TTRは試験的な仕組みから主要大会で実際に活用されるシステムへと発展し、国際卓球における映像判定の存在感も高まっています。
卓球のTTRの仕組みと使えるルールは?
TTRは判定に疑問があれば何度でも使えるわけではありません。選手がレビューを求められる回数や、映像で確認できるプレーには一定のルールがあります。ここでは、TTRを利用する流れや対象となる主な判定について紹介します。
1試合につき2回までリクエストできる
選手は審判の判定に疑問がある場合、TTRを使ったレビューを要求できます。選手側からリクエストできる権利は、基本的に1試合につき2回です。レビューが求められると、対象となったプレーについて複数のカメラ映像やスローモーション映像などを使い、専任の審判員が改めて確認します。
さまざまな角度の映像を使って検証できるため、通常の審判位置からは見えにくかった接触箇所やボールの位置などを詳しく検証できるのが特徴です。
判定が覆ればレビュー権は減らない
TTRを要求して最初の判定が覆った場合、そのリクエストは成功となり、選手が持つレビュー権は減りません。一方、映像を確認した結果、元の判定が正しいと判断された場合は失敗となり、権利が1回分減ります。
そのため、2回のリクエストがどちらも認められなければ、その試合では選手側から新たにTTRを要求できません。レビュー権には限りがあるため、どの場面で利用するかを選手側が判断することも試合を進めるうえで重要になります。
エッジボールや妨害などを確認できる
TTRでは、ボールが卓球台の上面の角に触れたエッジボールなのか、台の側面に当たったのかといった判定を確認できます。また、プレー中に相手選手による妨害があったかどうかなども対象です。
卓球では高速で飛ぶボールの接触位置を一瞬で判断しなければならず、審判席からでは見えにくい場合もあります。複数方向から撮影された映像を使うことで、一瞬では判断しづらいプレーの状況を詳しく検証でき、より正確な判定につなげられます。
微妙な場面でも映像を見直せるため、選手や観客にとっても判定の根拠を理解しやすくなります。
サービスの高さや角度も対象になる
TTRでは、サービスに関する細かな判定も確認できます。サービストスが規定の16cm以上に上がっているか、トスの角度が30度以内に収まっているかなどが対象です。また、トスしたボールを体などで隠していないか、台面より下から上げていないか、台の内側からトスしていないかといった点も判定の対象になります。
サービスは細かな規定が多く、審判が瞬時に判断しなければならないため、映像で見直せるTTRが役立つ場面の一つです。目視だけでは判断しにくい動きも確認できるため、サービス判定の公平性を保つうえでも役立っています。
最後に
卓球のTTRとは、試合中の判定を映像で確認するためのレビューシステムです。2019年に試験導入され、2024年以降は主要な国際大会でも活用されるようになりました。利用できる回数や対象となるプレーを知っておけば、TTRが使われた場面の意図も理解しやすく、試合観戦をより楽しめるでしょう。










